筋繊維の種類(速筋と遅筋)を徹底比較

筋繊維の種類

筋肉(筋繊維)には2種類のタイプが存在することをご存じでしょうか。それは、速筋(白筋)タイプと遅筋(赤筋)タイプです。簡単に言うと、速筋は短距離向き、遅筋はマラソン向きの筋肉であるということです。ではどのように違うのかをさらに詳しく説明していきたいと思います。

筋繊維の種類

筋繊維の種類
先ほど述べたように筋線維には速筋と遅筋の二つのタイプに分けられます。よく遅筋と速筋の違いの話で引き合いに出されるのが赤身魚と白身魚です。マグロのような回遊魚は、たえず海の中を泳いでいるので筋肉(身の色)は赤いのです。一方ヒラメやカレイなどは、海底にじっと身をひそめて、餌を捕獲するときだけ瞬間的に素早く動きます。まさに遅筋と速筋の特徴的な話だと思います。一般的に日本人は、6:4の割合で遅筋タイプの筋繊維比率が多いとされています。昔から日本はマラソン大国と言われていますが、そのようなところからも遅筋タイプの筋肉が多いことがうかがわれます。それぞれどのような特徴や作用があるのかをみていきましょう。

遅筋(赤筋/タイプ1)の特徴

遅筋…何が遅いのかというと、収縮時間が遅いのです。ゆっくり時間をかけて(と言っても0.1秒くらいですが)力を発揮します。しかし力自体はそれほど強くはありません。その代わり遅筋はエネルギー源に資質を利用し、酸素を効率よく使用するので疲労しにくく、断続的かつ長期的に筋肉を収縮させ、エネルギーを供給することに長けています。そこがマラソン向きと言われる所以なのです。この遅筋を鍛えたいと思うならば、有酸素運動のような、負荷は小さいけれど長く続けられる運動がよいでしょう。そしてエネルギー源に脂質を使用することから、運動によってダイエットをしたいと考えるときには、この遅筋を有効的に鍛えることが重要になってきます。遅筋には酸素を効率的に取り入れるため、ミオグロビンとチトクロームというたんぱく質が豊富に含まれています。実はこのたんぱく質の色が赤いことから遅筋は赤いのです。

速筋(白筋/タイプ2)の特徴

一方速筋とは、収縮時間が0.025秒~0.05秒とかなり短く、爆発的に大きな力を発揮できる筋肉です。無酸素性代謝を利用し、エネルギー源には筋肉内にある糖質を消費します。遅筋に多く含まれていたミオグロビンとチトクロームはあまり含まれないため、見た目は白い筋肉にみえます。遅筋は小さい力を継続的に供給する筋肉に対して、速筋は大きな力を瞬発的に供給できる筋肉です。しかし筋肉内にあまり存在しない糖質をエネルギー源にすることから、スタミナはなくすぐに疲弊してしまうのも特徴です。この筋肉を鍛えるには、短時間で大きな負荷をかけたトレーニングをする必要があります。ただし気をつけなくてはならないことは、この筋肉の特徴として、太くなりやすいと言うことです。ですから、男性で身体を大きくしたいという方はよいのですが、女性で身体をシャープに見せたいという方には注意が必要です。

タイプ2a繊維の特徴

スポーツ
速筋の中でもこのタイプ2aに分類される筋肉は、遅筋と速筋の中間的特徴を持っています。素早く大きなパワーを生み出しながら、ある程度の持久力も兼ね備えています。イメージとしては某有名ロールプレイングゲームの賢者職といったところでしょうか。ミオグロビンとチトクロームも多少含まれており、そのため筋肉の色はピンクに見えます。この筋肉を持つ人に向いているスポーツとしては、サッカーやアメリカンフットボール等の団体球技のほか、陸上競技では800m~3,000mの中間距離走や十種競技などがあります。

タイプ2b繊維の特徴

空手
このタイプの筋肉収縮にかかる時間は、タイプ2aの0.05秒に比べて半分の0.025秒と、瞬間的・爆発的にパワーやスピードを発揮する筋肉です。しかし疲れやすいという特徴も持っています。この筋肉にはミオグロビンとチトクロームはほとんど含まれないためスタミナはなく、見た目には白い筋肉に見えます。この筋肉を多く持つ人に向いているスポーツとしては、重量挙げや柔道・空手、陸上競技ですと短距離走(100m~400m)、投擲競技や走り高跳び等の各種フィールド競技があります。

筋繊維をタイプ別にみたスポーツ上でのパフォーマンス

マラソン
前述したとおり、遅筋の割合が大きい人はマラソンに向いていますし、速筋の割合が多い人は短距離走に向いています。また、そのようなアスリートたちは、その競技に向いている筋肉を増強するトレーニングを行っていますので、ますます遅筋・速筋が発達していくのです。

トレーニングによって筋繊維の割合は変えられるのか

私たちの体についている筋肉(筋繊維)の割合は、ほぼ遺伝で決まってしまいます。もちろん遅筋・速筋の割合も、普通の生活をしていればほとんど変わることはないといわれてきました。しかし最近の研究によると、遅筋を鍛えることによって、速筋の筋繊維が細くなり、相対的に遅筋の割合が増えるということが分かってきています。さらに、遅筋を鍛えることにより遅筋内の毛細血管も発達するため、より多くの酸素を供給できるようになり、筋肉のパフォーマンスも向上するのです。

まとめ

私たちの身体にある筋肉には3種類の筋肉があり、どの筋肉を鍛えるかによって、体つきも変わっていくことが分かります。ダイエットやシャープな身体を作りたいと思うならば遅筋を鍛え、たくましい身体を作りたいならば速筋を鍛えることが重要になってきます。またスポーツにおいてもその競技に向いている筋肉があるので、自分に合った競技を見つけることも可能です。自分の筋肉の組成率が分かるスポーツ遺伝検査というものもあるので、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。