筋膜リリースの効果は?おすすめトレーニング方法

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「筋膜リリース」という言葉は近年、テレビや雑誌などのメディアで取り上げられることが多くなりました。なんとなく見たり聞いたりしたことはあるけれど、実際にはどのような効果があるのか気になりますよね。そもそも、筋膜とはどのような働きがあるものなのでしょうか。そこで、今回は筋膜とは何かを掘り下げながら、筋膜リリースの効果や方法について調べてみました。

筋膜リリースとは?

 

筋膜リリースとは、筋膜の萎縮や癒着といった異常な状態から、血流を改善させて筋膜に潤いを取り戻し、正常な状態に戻してあげることです。筋膜は、膜というよりはメッシュ状の構造で、たんぱく質であるエラスチン線維とコラーゲン線維が複雑に絡み合っています。また、繊維芽細胞というコラーゲンなどを生み出す細胞もあります。エラスチンは伸縮性があり、コラーゲンは弾力性を持っている線維です。

絡み合った線維と線維の間には、ヒアルロン酸をたっぷり含んだ水分があり、約85%が水分と言われています。イメージとしては、シート状のスポンジに水分をたっぷり含ませたようなものです。美顔用のシートマスクを想像すると、イメージしやすいかも知れませんね。ヒアルロン酸は、潤滑剤のような働きをしているため、凝縮化してしまうと膜の間の滑走性が不足してしまいます。これが筋膜の異常な状態の一つである癒着です。

また、細胞外基質の糖たんぱく質が脱水状態になりゲル化してしまったり、エラスチン線維とコラーゲン線維が高密度化して膜が圧縮された状態になってしまったりすると、筋膜が硬くなってしまいます。これが、もう一つの筋膜の異常な状態である萎縮です。実は筋膜は固まりやすく、この癒着や萎縮の慢性化、慢性炎症、組織損傷などを繰り返すと、筋膜が線維化して別の組織になってしまいます。線維化してしまったところは基本的には元に戻らないので、慢性化してしまう前に正常な状態に戻してあげなければなりません。そして、筋膜を正常な状態に戻せるのが筋膜リリースなのです。

筋膜の役割について

筋膜リリース しなやかな筋肉
筋膜リリースについて話してきましたが、そもそも筋膜とはいったい何なのでしょうか。そして、どのような役割を担っているのでしょうか。

筋膜とは、筋肉や骨、血管、神経、内臓器官などのあらゆるものを包み込み、それぞれの適正な位置や形に立体的にとどめる薄い膜です。表面層の浅い部分で体全体を覆っているものから、深層で筋肉を包んでいるものまで、様々な部分で体を支えています。イメージとしては、柑橘系のフルーツの構造を思い浮かべると分かりやすいですね。外側の厚い皮をむくと房が並んでいて、その房の中にはたくさんの粒が並んでいます。粒自体も薄い皮で覆われていますよね。そのように、それぞれのパーツを包んでまとめている皮の部分が筋膜と考えてみましょう。体を支えているものを考えたとき、骨を思い浮かべる方が多いかも知れません。しかしながら、一つ一つバラバラな骨の位置を支えているのは、筋肉であり筋膜なのです。そのため、筋膜は第二の骨格や体内のボディスーツなどと言われており、人体にとって必要不可欠な重要なものと言っても過言ではありません。そうは言いましたが、実は医学界ではあまり注目されていなかったため、筋膜についての研究が遅れていました。

近年、医学界をはじめ、様々なメディアでも注目されているのは、筋膜を研究してきた研究者たちにより、解明されなかったことや病気との関連などが判明してきているからです。筋膜は大きくわけて、体内の各器官を覆って分離・結合・保護する、神経などの通路を作る、運動や姿勢をコントロールする、という役割を担っています。

筋膜リリースをすることでどんな効果がある?

筋膜が異常な状態では、筋肉や関節が動かしづらく、運動効率や基礎代謝が落ちて疲れやすい体になっています。まるで伸縮性のない硬い全身タイツを着ているような感じですね。

筋膜リリースをすると、筋膜の血流が改善して潤いを取り戻し、萎縮や癒着が解消されて、動かしにくかった筋肉がスムーズに動かせるようになります。血流が改善すると体温が上昇し、潤滑剤となっているヒアルロン酸の潤滑機能が高まるからです。循環機能も改善するため、筋肉や関節に酸素が十分に行き渡り、乳酸などが排出されやすく、筋肉や腱の痛みの軽減や疲労物質がたまりにくくなることが期待できます。首や肩、肩甲骨、背中、腰など、ポイントを絞って筋膜リリースでき、血行が良くなるため肩こりや腰のハリが楽になりますよ。

一般的なストレッチよりも体がほぐせるので、柔軟性が高まったり怪我のリスクを減少させたりも可能です。筋膜リリースの効果はスポーツ選手などの間で高く評価され、多くのアスリートなどが筋膜リリースを取り入れています。トレーニングのウォーミングアップやクールダウンに取り入れるのがおすすめですが、血行が良くなって眠りが深くなるそうなので、寝る前にも取り入れると良いでしょう。寝る前に筋膜リリースをするときは、就寝前1時間までを目安にすることがおすすめですよ。

筋膜リリースの方法

筋膜リリースをアスリートが取り入れていると聞くと、もしかして難しいのでは?と考えてしまうかも知れませんが、実はとても手軽にできるのです。筋膜リリースは、体操や専用のツールなどで簡単にできますので、いくつか紹介します。その前に、筋膜リリースをする上で注意したいことがあります。それは、しっかりと呼吸をして酸素を多く取り入れることと、過剰な刺激を与えないということです。筋膜リリースでは多くの酸素が必要となりますので、息を止めたりせずに行いましょう。また、より大きな効果を得ようと、痛みを感じながら無理に伸ばしたり、グイグイと圧をかけて痛みを我慢したり、早く動かしたりしがちになってしまいます。しかしながら、それはどれも効果がありません。筋膜リリースは、痛みを感じない程度の適切な強度でゆっくりと行うことが大切です。これから紹介するどの方法でも重要ですので、しっかりと意識するようにしましょう。

筋膜リリース体操

筋膜リリース体操は、特にツールなどの必要がなく、どこでも気軽に行えるのに効果が期待できる体操です。いくつかありますが、簡単にできるものを紹介します。

■平泳ぎ風筋膜リリース
立っていても座っていてもできますよ。
1、両腕を肩の高さで前に伸ばし、手のひらを下にする。
(背筋を伸ばし、両腕を肩甲骨ごと前に出すイメージで20秒以上)
2、肩の高さのまま、肘だけを後ろに引く。
(状態を保ったまま20秒以上)
3、肘の位置と高さはそのままで、バンザイするように手を上にあげる。
(肘が下がらないように意識し、状態を保ったまま20秒以上)

■バレリーナ風筋膜リリース
立って行います。
1、右手を天井に向かって斜めに上げ、左手は床に向かって後ろに伸ばす。
(右手のひらは自分に向け、左手のひらは後ろに向ける)
2、右足を一歩前に出し、天井と床に向かって手を伸ばしながら体を軽く左にひねる。
(気持ちいい程度にして、状態を保ったまま20秒以上)
3、そのままの状態で、自分の鼻を左肩につけるようなイメージで首をひねる。
(気持ちいい程度で状態を保って20秒以上)
反対側も同じく行う。

筋膜リリース専用のグリッドフォームローラーを使って行う方法

筋膜リリースを体操ではなく圧をかける方法で行うとき、トリガーポイントを知ることが大切になります。トリガーポイントとは、痛みを引き起こす引き金(トリガー)となっている場所のことです。筋膜リリースでは、筋膜の萎縮や癒着などの異常が起きているところになります。グリッドフォームローラーは、円柱状で中心が空洞になっており、表面がボコボコしているローラーです。

筋膜リリース専用に作られているので、筋膜やトリガーポイントに詳しくなくても簡単に筋膜リリースができます。トリガーポイントは点で刺激するのがなかなか難しいと言われていますので、グリッドフォームローラーを持っているととても便利ですよ。部位によって方法が違いますが、首や肩などをのせてゆっくりと転がして使います。簡単な説明書がついていますが、動画配信サイトなどでもたくさんやり方が紹介されていますよ。

 

 

テニスボールを使って行う方法

テニスボール トリガーポイントを押す
ほどよい硬さのあるテニスボールは、筋膜リリースに有効と言われています。トリガーポイントを把握しなければいけないので、グリッドフォームローラーより知識が必要となります。簡単な方法としては、床にテニスボールを置き、トリガーポイントをのせてゆっくり圧をかける方法です。テニスボールは1つでも、テープなどで2つをつなげたものでもできます。床に置いて体重をのせると痛いという場合は、まずは壁につけて自分で圧を調整してみると良いでしょう。手に持ってトリガーポイントをコロコロと転がすのもおすすめですよ。

ストレッチボールを使って行う方法

他にも、ストレッチポールやストレッチボールなどでも筋膜リリースができます。テニスボールは筋膜リリース用ではないため、強い圧に弱くつぶれやすいのが問題でした。トリガーポイントを把握している場合や、強めの圧が気持ちいいという場合は、ストレッチポールやストレッチボールを使うと良いでしょう。

筋膜リリースはダイエット効果も期待できる?

筋膜リリースでダイエット効果

筋膜リリースの効果をまとめると、運動能力アップ、基礎代謝アップ、柔軟性アップが期待できることがわかりました。それに伴い、ダイエット効果が期待できます。筋膜リリースをして筋膜を正常な状態に戻すと、運動能力と柔軟性がアップし、筋肉や関節が動きやすくなって可動域が広がります。可動域が広がると、いつもよりも運動量が増加して筋力が向上し、基礎代謝のアップにつながります。この基礎代謝のアップということが、ダイエットの重要なポイント。基礎代謝がアップすると、燃焼率もアップしてダイエット効果が期待できるからです。また、筋膜リリースをすると循環機能が改善されるので、むくみ解消の効果が期待できるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?筋膜リリースは、簡単でありながら運動能力も基礎代謝も柔軟性もアップでき、ダイエット効果も期待できる優れモノです。方法によってはすぐにでもトレーニングに取り入れられますので、筋膜リリースを始めてみてはいかがでしょうか。