卵で健康的な体が作れる?卵の持つおすすめの効果とは

Boiled eggs from hot spring water in Kurokawa onsen, Japan.

卵は昔から安くて栄養満点の食材として重宝されてきました。手軽で栄養価の高い卵はさまざまな料理に使われ毎日の食卓を彩っていますが、では具体的にどのような成分があるのかをご存知でしょうか。また、それらの成分が私たちの体にとってどのように効果を発揮するのか、効果的な調理方法や食べ方とあわせてご紹介します。

完全栄養食品と言われる卵の健康効果


卵は従来から完全栄養食品と言われてきましたが、なぜそう言われるのかを詳しく知っている方は少ないでしょう。卵の栄養素は、さまざまな病気の予防や症状の改善に役立ち、健康な体を維持するうえで重要な働きをします。では、卵の持っている栄養素にはどのようなものがあるのでしょうか。

必須アミノ酸を多く含み体をつくる

私たちの体は水分が60%を占めており、ほかにはタンパク質とミネラルでできていますが、そのタンパク質は20種類のアミノ酸で構成され私たちの体を作り上げています。20種類のアミノ酸のうち、体内で作ることのできない9種類のアミノ酸を必須アミノ酸といいますが、卵はこの必須アミノ酸をすべて含んでいるだけでなく、非必須アミノ酸まですべて網羅しているのです。必須アミノ酸が食品中にどれだけ含まれているかを示す数値にアミノ酸スコアというものがあり、体に必要なアミノ酸の量をどれだけ保有しているかを見る数値ですが、卵はすべての必須アミノ酸のスコアが100(十分な充足値)を超えている数少ない食材なのです。

脳や細胞膜の修復をはかるコリン

脳が健康的に機能するにはコリンという成分が欠かせないのですが、これは脳の神経細胞のうち、記憶や学習に関する神経伝達物質アセチルコリンを生成する基になっているからです。卵に含まれるコリンは食品の中で一番脳に届きやすく、ビタミンB12と合わせて摂ると認知症の改善にさらに効果が上がるということもわかっています。コリンを積極的に摂ることによって脳が活性化し、学習能力が25%もアップした研究結果もあり、さらにコリンには記憶の低下を助長する脳の炎症とホモシステインの上昇を抑制する機能も備わっています。1日の推奨摂取量は男性が550mg、女性が425mgと言われており、L玉の鶏卵1個には大豆コリンの約3倍の125mgも含まれているので、卵1個で推奨摂取量の22%~29%を摂ることができます。

目に良いビタミンがたっぷり入っている


目に良いとされるビタミンにはビタミンA、B1、B2、C、D、Eがあり、卵にはこれらすべてのビタミンが含まれています。ビタミンAは強い抗酸化作用を持っており、目の網膜で光を感受する機能にかかわるロドプシンの成分で、視力低下の予防や白内障の予防になります。ビタミンAが不足すると、明るい所から暗い所に行くと目が慣れるのに時間がかかる夜盲症になってしまうこともあります。ビタミンB1は視神経の働きを助け、目の疲れを取るのに効果があり、ビタミンB2は角膜炎の予防と目の働きを助け、不足すると眼精疲労や結膜炎、目の充血などが現れます。またビタミンCとEにも抗酸化作用があり、目の老化を緩やかにし、白内障を予防します。さらにビタミンDは、目の機能に大切なビタミンAの吸収や働きをサポートし、疲れ目を軽減してくれます。

コレステロールを下げる効果

以前は、卵にはコレステロールがたくさん含まれており、食べすぎると悪玉コレステロールが増えてしまうと言われたこともありましたが、現在の研究では、卵黄に含まれるレシチンというリン脂質はコレステロールの体内での蓄積を抑え、悪玉コレステロール値を低下させる働きがあることが分かっています。さらに卵には悪玉コレステロール値を低下させるオレイン酸という脂肪酸も含まれているので、安心して食べることができます。

アルコールを分解するメチオニン


メチオニンは必須脂肪酸の一つで、体内においては生成できないため、食品から摂取するしかありません。メチオニンには、肝臓内部の脂肪を体内の脂肪組織に運搬する働きもあり、肝臓内部に中性脂肪がたまりすぎてしまう脂肪肝を予防・改善する効果もあります。またメチオニンは体内で変換されタウリンに合成され、肝臓内部でアルコールを分解・代謝するときに重要な役割を果たします。

卵の効果的な食べ方

卵を使った料理にはいろいろなものがありますが、どのように食べるかによって栄養素の摂り入れられる量が変わります。ほかに、調理方法によって各成分の変化や吸収率の違いなどはあるのでしょうか。

適切な摂取量を知る

卵は一日に1個までと聞いたことはないでしょうか。これは古いロシアの研究の話で、現在では根拠がないため間違いであるとされています。卵を使った美味しい料理はたくさんあるので、一日にどのくらいの量まで食べてよいのか気になりますが、実はこれ以上食べたら体に悪いという上限は具体的にはないのです。ただし卵1個のカロリーは約100kcalのため、毎食2個ずつ食べると合計で600kcalとなり、成人の一日摂取カロリーの1/3にもなってしまうので気をつけなくてはいけません。いくら完全栄養食の卵といっても卵ばかりでは栄養が偏ってしまうので、肉や魚や野菜もバランスよく摂る必要があります。その他の食材とのバランスを考えると、1日に3個程度が理想の量といえます。

吸収率が高まる半熟卵

卵にはさまざまな調理方法がありますが、なかでも半熟で食べると栄養の吸収率は格段によくなります。卵は生で食べても加熱をしても栄養素の量にあまり変わりはないのですが、黄身を半熟で食べることによって、アミノ酸は変質しないで体内に取り込まれ、白身がかたまることで黄身の栄養素の吸収を妨げなくなり、効率よく体内に摂取されていくのです。

食欲を抑えられる

卵には、食欲を高めるグレリンというホルモンの分泌を抑える効果と、さらに食欲を抑制するPYYというホルモンの分泌を高める働きがあるため、ダイエットにも効果があります。卵は腹持ちがよいので、朝食に卵を食べておくと間食が減り、一日の摂取カロリーを抑えることが出来ます。さらに卵にはさまざまな栄養素がバランスよく含まれることから、朝食や炭水化物を抜くダイエットよりも、タンパク質を含むバランスのよい朝食をとる方がダイエット効果は出やすいのです。

ビタミンCと合わせて食べる


卵は完全栄養食品と言われさまざまな栄養素を豊富に持つ食品ですが、ビタミンCと食物繊維だけは含まれていないので、野菜と一緒に摂るのがおすすめです。レシピの例を紹介すると、まずゴーヤーを縦半分に切って種を取り除き、薄切りにして一分ほど茹でこぼします。次に木綿豆腐一丁を電子レンジにかけ水切りをして一口大に切り、豚もも肉100gも一口大に切っておきます。フライパンで木綿豆腐をゴマ油で両面をこんがり焼いたら一度取り出し、同じフライパンに再度ゴマ油を入れ、ゴーヤーと豚もも肉を炒めます。ゴーヤーに油が回ったら、取り出しておいた豆腐を戻し、三倍濃縮つゆ大さじ1、水大さじ5、顆粒だし小さじ1を入れ沸騰させます。その後沸騰したら弱火にして、割りほぐした卵2個をまわし入れ2、3回大きく混ぜて出来あがりです。最後にお皿に盛ったあと、かつお節を散らすと彩りもよいでしょう。ゴーヤーには食物繊維とビタミンCが豊富に含まれているので、卵と一緒に摂ることにより完璧な完全栄養食品となるのです。

まとめ

卵には私たちの体を作るための栄養素がバランスよく含まれていて、それを摂取することにより目の病気を予防し、脳を活性化して学習能力のアップや認知症の予防にも役立ちます。またコレステロールが高いと思われていた卵ですが、実はコレステロールを下げる効果があるため、これまで気にしていた方も安心して食べられそうですね。手軽に栄養を摂取できる卵を毎日食べて、健康な体を手に入れましょう。